Rhopoint Appearance Elements Japanese Help

結果の解釈 – 研磨品質モジュール

Rhopoint Aesthetixによる研磨品質の測定方法(傷、スワール、ホログラム)

Aesthetixは、 高解像度の画像解析と高度なアルゴリズムを使用して、傷、スワール、ホログラムなどの表面欠陥を検出し、定量化します。
これらの欠陥は、特定の照明条件下での視覚的特徴に基づいて識別されます。

測定プロセス:

  1. 指向性照明
    Aesthetixは10°ポイントライトおよび45°リングライトなどの複数の光源を使用し、表面を照射します。
    これにより、傷、スワール、ホログラムなどの欠陥の視認性が向上します。

  2. 高解像度画像の取得
    照射された表面をカメラで撮影し、傷を線状、スワールを同心円状、ホログラムを光源から伸びる縞模様として識別します。

  3. 画像解析
    画像セグメンテーションアルゴリズムを適用し、欠陥を分離・定量化します。
    欠陥の長さ、幅、密度、方向などの指標を算出します。

このアプローチにより、通常の検査条件では識別が困難な研磨欠陥を高精度で検出できます。

Aesthetixによる追加測定項目

Aesthetixは、傷、スワール、ホログラムの検出に加え、表面品質をさらに詳細に分析するための高度な指標を提供します。

  1. シャープネス(Sharpness)

    • 反射画像のエッジの鮮明度を測定します。

    • シャープネス値(Sharpness Units [SU])が高いほど、輪郭が明瞭な反射を示します。

    • 表面の細部の反射品質を評価するのに有用です。

  2. DOI(Distinctness of Image)

    • 反射画像全体の鮮明度を評価します。

    • DOI値が高いほど、歪みのないクリアな反射を示します。

    • 自動車塗装など、滑らかな仕上がりが求められる用途に適しています。

  3. LogHaze C

    • 鏡面反射の周囲で発生する光の散乱(テクニカルヘイズ)を定量化します。

    • 微細なテクスチャや汚染物質による透明度の低下を検出するのに重要です。

  4. Visual Haze Outdoor(VHout)

    • 屋外照明条件下での人間の視覚に合わせてヘイズ測定を調整します。

    • 太陽光や強い照明環境下での外観評価に不可欠です。

指標の比較と用途:

  • シャープネス :高光沢表面でエッジの鮮明度が重要な場合(例:自動車塗装、研磨金属)。

  • DOI :エッジの鮮明度よりも反射の一貫性が重要な場合(例:滑らかな仕上げが求められる表面)。

  • LogHaze C :微細な表面テクスチャや汚染物質の影響を分析する場合。

  • Visual Haze Outdoor :屋外で使用される製品のヘイズやホログラムの視認性を評価する場合。

それぞれの指標が異なる視点から表面品質を評価するため、用途に応じて適切な指標を選択してください。

Appearance Elementsを使用した研磨品質の視覚化

Rhopoint Appearance Elementsソフトウェアを使用すると、研磨品質を詳細に視覚化できます。

  1. 欠陥ビューを開く

    • ソフトウェアの「Defect View」タブを開きます。

    • 10°ポイントライトなどの指向性照明を使用し、表面の欠陥を強調します。

  2. 欠陥の分析

    • 傷は線状の特徴として表示されます。

    • スワールは円状のパターン、ホログラムは光源から伸びる縞模様として検出されます。

    • 色分けされたオーバーレイを適用し、欠陥の種類を識別できます。

  3. 高度な指標の視覚化

    • シャープネス、DOI、LogHaze C、Visual Haze Outdoorの各指標の専用ビューを開きます。

    • これらの指標を欠陥の視覚化と並べて比較し、数値と実際の外観の関連性を分析します。

  4. 定量分析

    • 傷の密度、スワールの強度、シャープネス単位(SU)、DOI値、ヘイズレベルなどの指標を結果パネルで確認できます。

    • 複数のサンプルを比較し、一貫性を評価できます。

  5. 結果のエクスポート

    • アノテーション付き画像や測定データを保存し、レポート作成や詳細解析に活用できます。

研磨品質の向上(傷、スワール、ホログラムの可視性を低減)

研磨品質を向上させ、欠陥を最小限に抑えるには、以下の対策が有効です。

  1. 研磨技術の最適化

    • 細かい研磨剤を使用し、傷を最小限に抑えます。

    • 回転ポリッシャーの過度な圧力を避け 、スワールマークを軽減します。

    • ダブルアクションポリッシャーを使用し、ホログラムの発生を防ぎます。

  2. 環境要因の管理

    • 研磨時にホコリや異物が付着しないよう、作業環境を清潔に保ちます。

    • 温度と湿度を適切に管理し、研磨剤の性能を最適化します。

  3. 高品質な材料の使用

    • 表面の種類に適したプレミアム研磨パッドやコンパウンドを選択します。

    • 研磨剤、パッド、コーティングの相性を適切に組み合わせます。

  4. 研磨中の定期的な検査

    • 指向性照明下で定期的に表面を確認し、欠陥を早期に発見します。

    • 研磨技術や材料を、リアルタイムのフィードバックに基づいて調整します。

  5. 保護コーティングの適用

    • 研磨後にシーラントやセラミックコーティングを適用し、傷や欠陥の再発を防ぎます。

Aesthetixの精密測定とこれらの改善策を組み合わせることで、 高品質な仕上がりを一貫して実現し、さまざまな照明条件下での視認性を最適化できます。

07 March 2025