結果の解釈 - クロスカット密着性モジュール
Rhopoint Aesthetix クロスカットモジュールによる密着性の測定方法
Aesthetixは、ISO 2409規格に準拠して設計されたクロスカットモジュールを用いて、コーティングの密着性を評価します。この方法では、基材に達するまで塗膜を格子状に切断し、その後、粘着テープを貼って剥がした際の塗膜の剥離度合いを解析します。
測定プロセス:
格子状カット(グリッド)の作成:
Aesthetixは、水平6本・垂直6本のカットで構成された標準的なグリッドを作成します(カット間隔は2.0 mm、カット厚さは0.2 mm)。画像取得:
作成されたクロスカット表面の高解像度画像を撮影します。解析:
粘着テープを剥がした後の塗膜の剥離範囲を画像から定量的に評価します。残存塗膜率の計算:
グリッド内で残存している塗膜の割合を算出し、密着性を客観的に評価します。
この自動化されたプロセスにより、手動評価に伴う主観的な誤差を排除し、再現性の高い正確な測定結果を得ることができます。
Aesthetixが提供するクロスカット密着性の測定項目
Aesthetixはクロスカット密着性を定量化するために、以下の測定指標を提供しています:
残存塗膜率(Remaining Coating Percentage) :グリッド内に残った無傷の塗膜の割合(%)。
カット検出閾値(Cut Detection Threshold) :基材に対して塗膜のコントラストや明るさが異なる場合に、付着部分と剥離部分を識別する感度調整値。
グリッドオーバーレイ精度(Grid Overlay Accuracy) :測定用グリッドがクロスカット領域と正確に一致しているかを確認するための指標。
指標の比較と活用方法:
一般的な密着強度評価には、 残存塗膜率を使用します。
基材と塗膜のコントラストや明るさが異なる場合には、**カット検出閾値(Cut Detection Threshold)**を調整します。
吸収性が低い塗膜や困難な基材の場合は、**マップ反転(Invert Map)**設定を使用し、検出精度を向上させます。
ほとんどの用途では、品質管理目的として残存塗膜率を使用することで十分ですが、特定の材料や基材に応じて閾値調整を行うこともできます。
Appearance Elementsを用いたクロスカット密着性の視覚化
Rhopoint Appearance Elementsソフトウェアはクロスカット密着性を視覚化するツールを提供しています:
クロスカットビューを開く:
ソフトウェア内で「クロスカットモジュール」を選択します。
クロスカット領域のライブ画像とグリッドのオーバーレイ表示を確認します。
残存塗膜の解析:
カラーオーバーレイ(例:付着領域は緑色、剥離領域は赤色)を用いて密着性を視覚化します。
必要に応じてグリッド位置や検出閾値を調整します。
詳細な指標の表示:
結果パネルで残存塗膜率、カット間隔、カット厚さなどの定量的な測定結果を確認します。
結果のエクスポート:
レポート作成や更なる解析のために画像やデータを保存・エクスポートします。
コーティング密着性の改善方法
コーティングの密着性を改善するためには以下の方法があります:
表面処理
表面の油分、ホコリ、残留物などの汚染物を徹底的に除去します。
サンディング、エッチング、プライマー処理などで表面を調整し、基材との機械的な密着性を高めます。
塗料の配合
塗料のバインダー含有量を調整し、密着性を改善します。
基材との濡れ性や結合性を向上させる添加剤を配合します。
塗装プロセス
均一な膜厚と塗布状態を確保します。
硬化に影響を与える高湿度や極端な温度下での塗装を避けます。
硬化条件
推奨される硬化時間と温度条件を守り、塗膜が適切に形成されるようにします。
基材との適合性
基材(金属やプラスチックなど)に対して適合性のある塗料を選択します。
これらの調整をAesthetixによる精密な測定結果と組み合わせることで、製品の性能を向上させ、品質基準への適合性を確保できます。